『ソイミート』や『ミックススパイス』を開発する、気鋭のフードブランド「LOVEG(ラベジ)」。“食べる”というマイクロアクションから地球を想うきっかけに

2023.04.20


世界の人口増加に伴い、これまでと同じ食生活を続けていると、2050年には体を作る上で大切なたんぱく質を含む食品が足りなくなると言われています。

 

そこで、肉類に匹敵するほど効率的にたんぱく質を摂取できる“ソイミート”に期待が寄せられています。ソイミートは健康的であると同時に、地球にやさしい食材としても注目されています。

 

ソイミートを皮切りに、いつもの食事をできるだけ簡単に、おいしく、そしてサステナブルに楽しむことができる商品を作っているブランドがLOVEG(ラベジ)です。

 

今回はブランド立ち上げの背景や想い、商品の魅力について、株式会社スリーピングトーキョーの今井さんにお話を伺いました。

株式会社スリーピングトーキョー
今井 慎治

『LOVEG』のマネージャー。2020年に惜しまれつつ休業したヴィーガンレストラン『ORGANIC TABLE BY LAPAZ』でもマネージャーを務める。"大豆ミート先輩"のニックネームでフードコミュニケーターとして、インスタライブをはじめ、イベント、フードマルシェなどでプラントベースフードのおいしさと楽しさを全世界に向けて発信している。

インタビュワー
寺田さおり

ライター&料理スタイリスト。地域情報誌、企業広報誌の編集部を経て独立。食、ものづくり、ローカルなどを中心に取材・執筆を行う。料理撮影のスタイリングを手がけることも。書く・撮るはライフワーク。

まずは、今井さんからGood Good Martをご利用の皆さんへのメッセージをお届けします!

 

今回ご紹介する商品

 

スタートは「お店の味を家庭へ」という想いから

インタビューに応じる今井さん

LOVEGではどのような商品を展開しているのでしょうか。

現在、ソイミート、シーズニングソース、ハーブ&スパイスといった食品を中心に展開しています。たくさんの人に「植物性の食べものの力を広めていきたい」という思いから「LOVE+VEGETABLE」でLOVEG(ラベジ) というブランドを立ち上げました。

LOVEGを立ち上げるきっかけは何だったのでしょうか。

私たちはもともと、渋谷の神宮前で「ORGANIC TABLE BY LAPAZ(オーガニックテーブル バイ ラパス)」というヴィーガンレストランを運営していました。しかし、入居していたビルの老朽化に伴い、2020年11月に閉店することになりました。

LAPAZを営業している当時は、生産者さんから直接野菜を仕入れさせてもらったり、調味料も工場で製造工程を見学したものを使ったりと、細部にまでこだわりを持って食材を選んでいました。 そして、コロナが流行して飲食店を営業できない日々が続き、お客様からも「LAPAZの料理が食べたい」というお声をいただいていたので、何かできることはないかと考えていたんです。

そこで、お店の味を家庭でも再現できる商品を販売しようと思ったのが、LOVEGをスタートするきっかけでした。LAPAZではソイミートの唐揚げがとても人気だったので、最初はそれを再現できる『ソイミートシリーズ ブロックタイプ』『シーズニングソース』をセットにして販売するところから始まりました。

『ソイミートシリーズ ブロックタイプ』と『シーズニングソース』を使った唐揚げ

「簡単」「時短」が魅力のソイミートシリーズ

ブランドを立ち上げるきっかけとなった『ソイミートシリーズ ブロックタイプ』

私も実際にソイミートの唐揚げを家で作ってみました。唐揚げの下味に使うシーズニングソースは合わせ調味料になっているので、これ1本で完結するのがうれしいですね。

ソイミートの魅力は「簡単」で「時短」であること。LOVEGは、簡単に使える食材でレストランクオリティの料理ができたら、みんな喜んでくれるんじゃないかという思いからはじまっています。

また、ソイミートはたんぱく質が豊富で脂質が少なく、美容と健康の強い味方。さまざまな料理に活用できるという魅力もあります。

「本当にこれ大豆なの?」と思うくらい、お肉と変わらない満足感があって驚きました。子どももパクパク食べていて「これはお豆からできているんだよ」というとびっくりしていました。

ご家庭で1日3回ある食事のどこかにソイミートというタンパク源を取り入れることで、食の選択肢が広がります。

そして、“食べる”という人のマイクロアクションを通して、皆さんが地球のことを考えるきっかけになったら良いなと思っています。一緒に食べる人や自分の健康にもつながったら、とても良い循環が生まれますよね。

ちなみに、ソイミートは1960年代頃から存在しているそうです。戦後、人口の増加を背景としたタンパク源不足の解消や、肉のボリュームアップのために使われてきた陰の立役者だったんです。身近なものでは、冷凍食品やインスタントラーメンにも使われています。

今後も、世界的に人口が増えていく中、足りなくなるといわれているタンパク源を補うことのできる食材と言われています。

ソイミートシリーズは「ブロック」「フィレ」「ミンチ」と3タイプあり、さまざまな料理に活用できる

たしかに、ここ数年はスーパーなどでもソイミートを目にする機会が増えました。LOVEGのソイミートシリーズには「ブロック」「フィレ」「ミンチ」と3タイプあるんですね。

「ソイミートでさまざまな種類の料理を簡単に作れるんだよ」ということを伝えたくて、3タイプで展開しています。

歯ごたえのある『ブロックタイプ』は、唐揚げや煮込み料理向き。『フィレタイプ』はサラダやおでんにも合います。ソイミートはお湯で戻して何度か水洗いし、ぎゅっと絞るとスポンジのように味が染み込みやすい状態になるんです。そこにおでんのだしが染み込むと、もう最高です!

想像しただけでおいしそうです……!

『ミンチタイプ』はとくに汎用性が高く、麻婆豆腐や餃子のほか、スイーツにもお使いいただけます。3種類のソイミートがあれば、家庭で作る料理のほとんどに対応できます。

ソイミートシリーズのミンチタイプを使った麻婆豆腐

ソイミートって「大豆の風味が苦手」という人もいますよね。

LOVEGのソイミートシリーズはシンプルでプレーンな味わい。クセがなくどんな料理にも馴染みやすいと思います。

初めて食べたソイミート料理がおいしくなかったら、きっとそこで食べなくなってしまいますよね。 だから『シーズニングソース』などを使って間違いなくおいしい味付けができれば、自宅で手軽にレストランクオリティの料理が楽しめる。

ただソイミートを作って終わりではなく、その先の体験も同時に提案していくことが僕らの役目だと思っています。

取材時にはソイミートをキャニスターに入れたものを見せていただいた

ちなみに、今井さんご自身は普段の食事の何割くらいがソイミートなのでしょうか?

料理するときは基本的にソイミートです。というのも、僕、家に冷蔵庫がないんです。

え!

キャニスターなどに3種類のソイミートを入れて並べておけば「今日は寒いから、白菜と一緒にソイミートを入れてあんかけにしようかな」とか、思いついたときに家にある野菜に加えてさっと料理ができるんです。乾物のソイミートは常温で保存できるので重宝しています。

常温保存できるソイミートはキャニスターにいれておくと使いやすく、見た目もスタイリッシュ

見えるところに置いておくって良いですね。ソイミートは他の乾物と一緒につい仕舞い込んでしまいます。

わざわざ出かけるのが面倒だなと思ったとき、すぐ手に取れる場所にあるのがソイミートのよさですよね。

ただ空腹を埋めるだけの食事ではなくて、どうせ食べるなら、食べることに一つの意味を持たせていただけたらうれしいです。 週に1度でも植物性の食べものを体に取り入れて「体と地球にやさしいことしたよね」って。

そして、それが皆さんの健康につながれば最高だなと。ソイミートはそういうことが実現できる食材だと考えています。

選び抜いた原材料で作る「かけるだけで間違いなくおいしい」調味料

ソイミートの下味に活用できる『シーズニングソース』

『シーズニングソース』もお店で使われていた味なんですね。

はい。『シーズニングソース』は、天然醸造の醤油と本みりんをベースに、野菜や果物を使って作っています。100%植物性で、添加物も使用していない万能調味料です。

使用しているみりんは、江戸時代から続く老舗「九重味醂」さんのもの。LAPAZを営業していた当時から使っている、天然の素材だけでできたみりんです。

『シーズニングソース』に炒ってすりつぶした胡桃と豆乳を混ぜたつけだれでいただく胡桃そば

ハーブやスパイスは食に豊かさを与えてくれる

「日本の四季を感じる」「かけるだけでおいしい」をテーマに開発したスパイスシリーズ

調味料はシーズニングソースだけでなく、スパイスシリーズも販売しているのですね。

LAPAZには女性のお客様が多く、仕事や家事・育児に追われて忙しいという話をよく聞いていました。

そこで、「これをかけるだけでおいしい料理ができる」という調味料を考えました。これで料理の時間が短縮できたら、家族と過ごす時間や趣味の時間ができますよね。

ガーリックやクミンなど豊かな10種類のハーブや、唐辛子のピリリとした辛味が食欲をそそる『LOVEG SPICE Chili Summer』

スパイスシリーズは2022年の夏からスタートし、最初に発売したのが『Chili Summer』です。

比較のため、オーガニックではない原材料を集めてスパイスを作ってみたのですが、どうも味がトゲトゲしてしまって、全体的にもまとまりがありませんでした。

そこから改めて、原材料一つひとつをオーガニックやこだわりのある製法で作られたものに変えていったんです。そしたら驚くほど味がまとまりました。

『Chili Summer』のおすすめの食べ方はあるのでしょうか?

『Chili Summer』は、肉や魚の下味はもちろん、サラダにもよく合います。サラダに使うときは、ソイミートをお湯で柔らかくしてから水で数回洗い、レモンやバルサミコと一緒に『Chili Summer』を揉み込んでマリネにするとおいしいですよ。夏の食欲がないときにもおすすめです。

ブロックタイプのソイミートと野菜を『Chili Summer』で味付けしたチリサマーサラダ

ソイミートはお肉と違って、わざわざ火を通さなくてもそのまま食べられるんですね。

そうなんです。お肉やお魚と違って、ソイミートは柔らかくなれば食べられます。さけるチーズのように細かくさいてサラダにするという食べ方もできます。

『LOVEG SPICE Autumn Sugar』は芳醇なココアをベースに、シナモンや低GI甘味料アガベシュガーを使用している

そして「ソイミートでスイーツを作ろう!」と思ったときに開発したのが『Autumn Sugar』です。

ソイミートでスイーツという発想はあまりなかったです。

ソイミート料理=唐揚げというように、まだまだおかずというイメージが強いですよね。

ミンチタイプのソイミートをフライパンで軽く煎ると油分が飛んでカラッとしてポリポリ食べられるようになります。そこに『Autumn Sugar』をかけて、お好みでナッツやドライフルーツ、メープルシロップなどを混ぜるとグラノーラができます。

ミンチタイプのソイミートを乾煎りして『Autumn Sugar』やメープルシロップを絡めたグラノーラ

ほかにも、ソイミートに『Autumn Sugar』をかけてココナッツオイルで焼き上げれば、ふわふわのドーナツのようになります。『Autumn Sugar』を少量のお湯で溶かし、パンに塗るだけでも絶品です。

LOVEGのWebサイトでもさまざまなレシピをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「最幸級の塩こしょうを作る」という思いから開発された『LOVEG SPICE Winter Pepper』。クローブやピリッと刺激的な山椒がアクセントのスパイス

『Winter Pepper』はフタを開けた瞬間、フワッと香る山椒やハーブの香りが特徴的で、新感覚の塩こしょうでした。

『Winter Pepper』は「最幸級の塩こしょうを作ろう!」というコンセプトのもと開発しました。

『Winter Pepper』を使った里芋のマッシュポテト。れんこんとソイミート、シソを重ねれば豪華な前菜に

たとえば、さといもをマッシュポテトにして『Winter Pepper』を入れるだけで、ほかには何も要りません。あとはソイミートの白和えなんかにも使えますよ。

そして発売されたばかりの『Herb Spring』。これで春夏秋冬がそろったわけですね。

はい。スパイスシリーズは四季のある日本の良さを生かしたくて、季節感を大事にして作っています。

発売されたばかりのLOVEG SPICE Herb Springは塩とオニオンをベースに、コブミカンの葉のさわやかな風味が特徴

『Herb Spring』は塩とオニオンが入っていて、そこにバジルやオレガノなど数種類のハーブを加えています。香りが立ったハーブは食に豊かさを加えてくれます。また、タイ料理などで使われるコブミカンの葉も入っているので、春のそよ風のようなさわやかな香りも感じられます。

先日『Herb Spring』を使ってパスタを作ったのですが、ハーブと野菜のうま味が凝縮していてめちゃくちゃおいしかったです!ポタージュにかけるだけでもおいしいですよ。

『Herb Spring』を使ったポトフ。最後にふりかけるだけで味と風味の奥行きが増す

スパイスシリーズ開発のきっかけは「はぁもにぃソーシャルファーム」との出会い

スパイスシリーズを開発するにあたっては、あるきっかけがあったんです。

きっかけですか?

はい。「はぁもにぃソーシャルファーム」という就労継続支援事業所の皆さんとの出会いです。

はぁもにぃソーシャルファームでは、障がいのある方々の働く環境を整え、はちみつやどんぐりクッキー、ケーキやプリンなどの菓子製造を行っています。彼らと一緒に商品作りを考え、商品の製造を細分化することで商品の製造からパッケージまで協業出来ることになりました。

スパイスシリーズの製造は「はぁもにぃソーシャルファーム」と協力して行っている

スパイスシリーズで使う原材料は、基本的には有機JAS認証か海外の認証を取得しているものです。認証がなくても、農家さんに直接連絡を取って、減農薬栽培や除草剤不使用など生産者のかたのこだわりの原料のみを使用しています。

良い原材料であれば、はぁもにぃソーシャルファームの皆さんも作っていて気持ちが上がるだろうし、良い商品ができれば、たくさんの方の手に届くことで、生産者のみなさんの収入にもつながるという循環になるのではと考えています。

1種類あたりの生産量は1ヶ月あたり132本に限られますが、1本1本丁寧に作られていることがわかる商品になっていると思います。

デザインの力を生かして、陽が当たってこなかった食材を知るきっかけに

シンプルでデザイン性の高いパッケージ

どの商品もパッケージがシンプルで洗練されている印象があります。生活空間におきたくなるようなデザインというか。

デザインの力は大きいと思っているんです。デザインの力を生かして、今まで陽が当たってこなかった食材を多くの人に知ってもらうきっかけが作れると良いなと思います。

また、デザインに無駄がないことも重視しています。

LOVEGのソイミートシリーズは、当初は紙のパッケージでしたが、現在はジップ付きのリフィルパッケージを採用しています。ジップをつけることで、1度開封してもまた密閉した状態で保存できますし、下味をつけたソイミートを冷凍保存する際にも使えて便利なんです。 プラスチックを使うことが悪いのではなく、使った人がしっかり分別してリサイクルに回すことが必要なのだと思います。

スパイスシリーズの瓶も、使い終わった後はシールを剥がして洗えば、ほかの調味料を入れたり小物入れにしたりして活用できますよ。

プロダクトを介して想いを共有する

「エシカルライフ」をテーマにしたマルシェでのポップアップストアの様子

ここまでお話をお伺いして、細部までこだわり抜いて、そして感覚を研ぎ澄ませて商品を作っているんだなと感じました。

ライフスタイルの中にソイミートを取り入れることで、生活をより簡単に、心地よくしていけると思っています。肉や魚の代替品として見られることの多いソイミートですが、ヴィーガンの人だけでなく、一般的にも肉や魚と並んで “今日の献立”の選択肢の一つになれば良いなと。

原材料選びから使用後の容器の使い道まで、地球や人に思いをめぐらせて生まれたLOGEVの商品

そして、伝統的な製法を守っている老舗のメーカーさんや、想いを持って活動している企業さんとつながって、共にものづくりをしていく。そんな風にして、プロダクト一つひとつにさまざまな想いを込めて作っています。

そこはこれからも変わらず続けていきたい部分ですし、想いを込めたプロダクトが一人でも多くの方に届けばうれしいです。


最後にもう一度、今井さんからGood Good Martをご利用の皆さんへのメッセージをご覧ください!

 

LOVEGの商品

Good Good Martとは?

Good Good Mart Good Good Martとは?

自分のためにいいものが、
地球のためにもなっていたら。

ここは、そんなすてきな商品をそろえた
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